フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 002
相談:
40代半ばのインストラクターです。年齢と共に体力・気力の衰えを感じています。
やはり、年齢に応じてプログラムも変更していくべきなのでしょうか?
回答:
変えていくべきです。というよりも、変えていかざるを得ません。
ただ、決して若ぶる(=無理をする)必要はないということ。

変えていくべきです。というよりも、変えていかざるを得ません。なぜなら、単純に身体がもたなくなってくるからです。特に、20代の頃からハイインパクトのレッスンを続けている人で、かつ週15本のレッスンのうち10本は走り・跳び続けていたという人は、明らかに身体のどこかに故障を抱えているはずです。

当時、障害や疲労骨折が多発したことから、現在では、ハイインパクトのレッスン自体がほとんど見られなくなりましたが(現在の主流は「ハイ&ロー」)、日頃からいくら鍛えているといっても、40代半ばの人が、今、上記と同じ頻度で実施したら、おそらくひとたまりもないでしょう。

ましてやインストラクターは、メンバーにとって良いお手本でなければなりません。したがって、一つひとつの動作は、「丁寧に」「しっかり」「大きく」が絶対条件。それを何セットも実施するわけですからね。そういった意味でも、インストラクターの身体的負担というのは、人一倍といっても過言ではないほど大きい。したがって、疲労を抱えた分、どこかで身体に楽(休養)をさせてあげなければなりません。当然、若い頃に比べると、回復力という面でも低下しているわけですからね。

ちなみにあらゆるスポーツのなかで、指導的立場となる中高年になっても、現役のときと同じように身体を躍動させ続けている競技というのは、おそらく剣道などの武道以外にないのではないでしょうか。言い換えれば、インストラクターには生涯現役という自負がある。が、それが時として、足かせになる場合もなきにしもあらず…。すなわち、頑張りすぎてしまうのです。

例えば、1980年代にジェーン・フォンダが火付け役となって広まったハイインパクトのエアロビクスダンス全盛期から指導している先生方であれば、現在では50代半ば~60代。そういった先生方は、自分でなければできないレッスンだけを残して、プログラム開発や養成側に回るなど、新たな道を開拓されています。つまり、インストラクターとして新たな進化を遂げているのです。

とはいっても、さらにその下の世代(40代後半~50代前半)になると、インストラクターにとっての“団塊の世代”。いわゆる、2030年問題(「2030年には人口の1/3が高齢者になる」)と同様の問題がインストラクターの世界にも、この10年以内に訪れるであろうと、個人的には危惧しています。

果たして、この問題に対して、私自身、まだ解決策を見いだせているわけではありません。

ただ、間違いなく言えるのは、決して若ぶる(=無理をする)必要はないということ。例えば、同じ世代の人たちを指導する分には、心身ともに世代間ギャップを感じることはありません。したがって、指導対象者の選択も1つの手ではないでしょうか。それぞれの年代に応じたプログラムを構成し、自らも「一緒に美しく年齢を重ねていきましょう」というくらいのナチュラルな感覚で取り組んでいけばよいのではないかと思います。

また、パーソナルトレーニングの道を模索していくのも、1つの選択肢として「あり!」なのではないでしょうか。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 2016年6月号に掲載された内容を基に構成しています。

*本シリーズは現在(2017年12月)も好評連載中です。ぜひ最新号もご覧ください♪

*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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