フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 003
相談:
私のレッスンに “マンネリ” を感じているメンバーの方がいるのではないかと心配しています。聞くのも怖いし、あまりにも気の回しすぎでしょうか?
回答:
「マンネリ」と一口に言っても、そのイメージには2種類あるでしょう。
メンバーのためによりよい方向性を示してあげることも大事。

「マンネリ」と一口に言っても、メンバー自身が感じるマンネリのイメージとインストラクター自身が感じるイメージとの2つがあることを、まず心得ておきましょう。

例えば、週に1回のレッスンを受けた(もしくは指導した)場合、同じプログラムを2ヵ月間行えば計8回となります。果たして、8回で飽きてしまうかどうかは、メンバーそれぞれの経験値や感覚にもよると思いますが、プレコリオなどの場合は、約3ヵ月間の継続を1つの目安にしていることを考えれば、8回という数字はむしろ慣れて、楽しさを覚えてくる頃ともいえるでしょう。

一方、インストラクターの場合はどうかというと、確実に飽きてしまうはずです。すると、どういった思考が働くかというと、インストラクター自身が勝手にマンネリ化だと思い込んでしまうのです。したがって、そこのところは、判断を見誤らないようにしたいところです。あるいは、2ヵ月目が過ぎる頃になってくると、特に振りを覚えるのが得意な中級者以上のメンバーになると、まれに「先生、もう飽きてしまいました」と不満をもらしてくる可能性もなきにしもあらず、です。では、もしそういったケースが生じた場合はどうすればよいのか。

「飽きた」というのは、インストラクターにとってとても頭の痛い言葉です。が、「飽きた」というメンバーの動きをよくよく見ると、振りを覚えるのは確かに上手だけれども、実は可動域を目いっぱい使って動いているわけではありません。そこで、そんなときに私が投げかける言葉は「慣れてきた方は、より美しく動きましょう!」です。エアロビクスは、振りを覚えて楽しく手足を動かすことも大事ですが、動きに慣れてしまうと、いわゆる適当に“流して”しまう傾向に走りがち。

例えば、空手道の形やクラシックバレエなどでは、同じ動作を何度も何度も繰り返して、より完成度を高め、最も美しい動作を追求しようとします。その美しさに、多くの人は感動し、惚れ惚れしてしまうのです。したがって、「飽きた」というメンバーに対しては、「ただ単に動けていればいいというものではない。動きの質をより高めていこう」とアドバイスしてみてはいかがでしょうか。

とはいうものの、初心者のクラスで、動きのバリエーションにも制限があるプログラム内容では、インストラクターの“引き出し”にも当然、限りがあります。そういった場合には、曲を替えてみるのも1つの手です。おそらく、多くのインストラクターの皆さんは自分の好みの曲を選んでいるのではないでしょうか。そこで、あえて普段の自分であれば、使わないだろうという曲を選択してみるのです。すると、メンバーはもとより自分自身に対してもマンネリを感じることはなくなるのではないでしょうか。むしろ新鮮な気持ちで取り組むことができるはずです。

また、「飽きた」という人は、次のステップへの移行時期ともいえます。そこで、「もっと上のクラスへ」と背中を押してあげるのも、インストラクターの役目ではないかと思います。集客面で抱え込みたい気持ちもわからないではありませんが、自分のためにではなく、メンバーのためによりよい方向性を示してあげることも大事ではないでしょうか。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 2016年7月号に掲載された内容を基に構成しています。

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*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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