フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 004
相談:
レッスンの動きについてこれないメンバーの方がいます。ご本人もかなり気にされているようなのですが、どういったアドバイスをしたらよいでしょうか?
回答:
メンバー、インストラクターともに焦らず粘り強く取り組むこと、
継続的に勇気づけてあげることが大事。

インストラクターが最も手を焼くのが「音がとれない人」、すなわち軽快な音楽のリズムに合わせて足踏みができない初心者です。みんなが「ワンツー、ワンツー」と普通のリズムでステップを踏んでいるなかで、むしろなぜそこまで外せるのか、と不思議に思うくらいドタバタしてしまう方が稀にいらっしゃいます。まさに、私たちインストラクター泣かせの手ごわい相手です(笑)。

そこでまず、インストラクターが心がけなければならないのは、安全面さえ確実に担保されていれば、少々音とずれてしまっているくらいは気にしないでもよいということ。もちろん、私たちのほうから、「焦らないでね。最初から上手にできる人なんていないんだから」という励ましの声掛けをすることも大事です。

それは、我が子がいよいよ左右の補助輪を外して自転車に乗ろうとするときの保護者のフォローアップと同じ感覚といえるかもしれません。何度も失敗を繰り返す子どもに対して、保護者は決してダメ出しをしません。乗れるようになるまで愛情をもって激励に終始するものです。そういう意味では、レッスンの動きについてくることができないという人もまさにゼロからのスタートですから、いわゆる感覚をつかむようになるまでのウォーミングアップと捉え、メンバー、インストラクターともに焦らず粘り強く取り組むことが大切ではないでしょうか。

その後も、足踏みには慣れてきた=マーチやVステップはできるようになってきたけれども、ステップタッチに移行した瞬間にパニックになり、手と足の動きがバラバラになってしまう…など、ステップアップしていくたびに、新たな困難が生じるでしょう。そういったときでも、「焦らないで!レッスンを積み重ねていくうちに慣れてくるから大丈夫!」と、継続的に勇気づけてあげることが大事。あるいは、ベテランさんをつかまえて、「彼女だって、今でこそこんなに上手にステップを踏んでいるけれど、昔は手と足の動きがバラバラだったんだから」と、冗談を交えながら落ち込まない雰囲気をつくってあげることも1つの方法です。

ただし、人によってはフォローしたつもりが、“私だけが間違いを指摘されている”ともとられ兼ねず、逆効果の場合もあるので、インストラクターには、人に対する観察力はもとより、時には気づかない振りをしてそのまま流してしまうという勇気も必要です。

また、初級者クラスの場合には、ピッチコントロールにも気を配りましょう。ケガ予防の観点から、むしろ最初から通常よりもスローなテンポを心がけておいたほうがよいかもしれません。

さらに、もう1つ付け加えるとすれば、インストラクター自身がスタジオの正面だけでなく、前後左右、他の3面も有効活用することで、対象者にアプローチしていくという方法もあります。どちらかといえば、初心者の人たちは列の後ろのほうに集中しがち。そこで後方に移動して、「回れ右」の号令のもと、初心者の人たちが先頭に立つというポジショニングをあえて作り出すのです。より身近な距離で指導に当たれば、一瞬のマンツーマン指導であれば、他のメンバーにも違和感を抱かれることもありません。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 2016年7月号に掲載された内容を基に構成しています。

*本シリーズは現在(2018年2月)も好評連載中です。ぜひ最新号もご覧ください♪

*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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