フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 006
相談:
中・上級者の指導において、
心がけておくべき点があったらぜひ教えてください。
回答:
中・上級者の目はとても厳しいもの。インストラクターのほうも、
それに対して全力で応えてあげなければなりません。

中・上級者というと、「体力」はもちろん、腕(「技術」)に自信(プライド)のある方々ばかりです。 身のこなしはもちろん、身につけているウエアやシューズも最先端のもので、ひと目見ただけで、明らかにオーラが違うな、とわかります。当然、プログラムに関しても、手応えのあるチャレンジングな内容を求めようとされます。したがって、インストラクターには、その方たちの期待に応えられるだけの体力と技術、そして指導力がなければなりません。

ただ、その一方で、実は養成コースを出たばかりの頃は、初心者を指導するより、中・上級者レベルの人たちを指導するほうが楽に感じたことはありませんでしたか? なぜか。答えは簡単です。自らも体力・技術ともに上級者だから。すなわち、自らが出すあらゆるキューイングに対して、すべてストレスなく、スムーズに反応してくれるからです。

すると、インストラクターのほうは、むしろ最初から最後まで必死に動かなくてもいい。「一を聞いて十を知る」ではありませんが、中・上級者は、物事の一端を聞いただけで全体を理解する能力を備えた方たちばかりなので、むしろ、体力を温存しながら、指導に当たることができるのです。

とはいっても、中・上級者の目はとても厳しいもの。彼女、彼らは「そこ、失敗したらダメでしょう」という小さなミスさえも見逃さないものです。だから、インストラクターには失敗は許されません。一度、“躓く”と、途端に流れが崩れてしまい、気持ちよく動けなくなってしまう。中・上級者が最も大切にしているのは、とにかく気持ちよく、流れるように動きたいという達成感。それが人一倍強いということです。

したがって、インストラクターのほうも、それに対して全力で応えてあげなければなりません。そういう意味では、やはりトップインストラクターの指導力というのは、とても洗練されていて、見ているだけで感動するものです。プログラム構成を分析してみても、緻密な計算の基に構築されていることがわかります。A→AB→ABC→ABCDという形で、1つ1つの技を積み上げていって完成という構成であれば、中級者の場合は、このパターンを何回か繰り返して終わるのが通常のプログラミングです。

ところが、上級者になると、D→DC→DCB→DCBAと、メンバーの方々がまったく予想しなかったような、まさにアッと驚くような逆パターンで構成していくのです。あるいは、この瞬間だけは、ストップモーション的なものを挟み込んだりするなど、動きにストーリー性をもたせるテクニックも駆使したりします。

さらに、現在ではあまり見られなくなってしまいましたが、ところどころに声を出して盛り上げる瞬間を設定するという方法もあります。まさに、集団でリズムに乗って実施するエアロビクスならではの醍醐味といえるでしょう。

そういった意味では、中・上級者を指導するテクニックを磨くには、今、流行の最先端をいく“ズンバ”を学ぶのも1つの方法でしょう。言葉の説明は一切なし。ラテンのリズムに乗りながら、さまざまなステップワークを組み合わせた、型にはまらないエクササイズだけに、アレンジ力も試されるといえるでしょう。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 2016年8月号に掲載された内容を基に構成しています。

*本シリーズは現在(2018年4月)も好評連載中です。ぜひ最新号もご覧ください♪

*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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