フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 014
相談:
集客に悩んでいます。原因は、技術力に欠けるからではないかと思いますが、それだけでもないような気もしています。集客力を上げる秘訣を教えてください。
回答:
本来、専門職なのだから技術はあって当たり前。お客様のニーズを的確につかまえる力、すなわち営業力がモノをいうのではないかと思います。

ビジネスの世界でいえば、「売り上げをアップするための方策」に共通する悩みですね。
実は、集客と技術力とは、それほど相関はないと思っています。もちろん、あまりにも技術的レベルが低いというのであれば問題ですが、かといって、私の経験上、いくら技術力を一生懸命磨いたからといって、それが即、集客につながるかというと、「?」です。

本来、専門職なのだから技術はあって当たり前。したがって、ある程度の技術を習得したら、お客様のニーズを的確につかまえる力――すなわち営業力がモノをいうのではないかと思います。いい換えれば、集客とは冒頭で述べたように、ビジネス的視点で捉えるべきだ、と。

そこで、インストラクターとしての技術は引き続き研鑽していく一方で、自らの営業力アップのために、ビジネス関連の本を読んだり、あるいはセミナーに参加したりするなど、人間的にも社会的にもより視野を広げていくための学びや研究に意識を向けるよう心がけたいものです。

あるスポーツセンターで指導をしているAさんは、他の人に比べて、技術的に突出した存在ではありませんでした。ところが、不思議なことに仕事がどんどん増えていくのです(厳密にいえば、1レッスンに対する集客力の話題ではないかもしれませんが、仕事の増加=総合的な集客力=ビジネス成功例と捉えました)。

周りの人たちは、一体どうしてだろうと、首をひねるばかりでしたが、よくよく話を聞いてみると、その人は、とても腰の低い方で、「ありがとうございます」「ぜひ、やらせていただきます」と、言葉遣いも丁寧で謙虚。結果、スポーツセンターの運営担当者はもとより、お客様に対する受けも非常によいからだということがわかりました。

同じ技術レベルの人であれば、人当たりのいいほうを選択するのは世の常。果たして、本人が意識的に心掛けていたかどうかまでは分かりませんが、これも営業力の為せる業の一つなのではないでしょうか。

上記の例は、営業力アップのための方策は、単に指導力だけではなく、個々の人間的魅力にも大きく影響されるということでしょう。特に個人事業主であるインストラクターの場合には、コミュニケーション力や会話術など、技術力以外のところに、もっと目を向けていかなければならないのではないかと思っています。

こんな話もありました。あるスポーツセンターで長年指導していたBというインストラクターが個人的な事情でそこを辞めることになり、Cというインストラクターに引き継ぐことになった。そこで、BさんのレッスンをCさんが今後の参考のためにと、見学に来たときのことです。

その際、Cさんは後方で怖い顔をして腕組みをしながら見ていた、と。Cさんにしてみれば、意図的ではなく、おそらく腕組みはいつもの癖、怖い顔は真剣に見ていたのだと思うのですが、Bさんにしてみれば、まるでレッスンをチェックされているように感じたようです。

すると、Bさんは運営担当者に「あんな横柄な態度の人に、私の大事な生徒さんを安心して任せることはできない」となり、結局、Cさんの採用は見送られたという話です。

結局、このケースも専門技術以外のところでの評価。そういう意味でも、技術力のみではビジネスはかなわないということの典型例といえるでしょう。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 2016年12月号に掲載された内容を基に構成しています。

*本シリーズは現在(2018年12月)も好評連載中です。ぜひ最新号もご覧ください♪

*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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