フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 017
相談:
子どもの指導において、特に心がけておくべき点、
もしくは注意すべき点について教えてください。
回答:
まずは、保護者との付き合い方、環境整備が大事!
難しいかじ取りが求められる時代… 一筋縄ではいかないのが子どもの指導。

子どもの指導において、まず心がけておくべき点は、保護者との付き合い方。ある意味、指導の成否はそこで決まるといっても過言ではありません。

現在ではほとんど耳にしなくなりましたが、“モンスターペアレント”に類する人たちは必ずいるもの。 そういう方たちがよく口にするのは「どうしてうちの子が〇〇なの?」です。例えば、ダンスの発表会で「うちの子は主役(またはそれに準ずる役)ですよね」という過度な期待。それを全員の保護者が言い出しかねない。そうなると指導者側からすると、役の割り振りができないのです。

多くの指導者は、その説得に費やす労力だけでストレスが溜まってしまうもの。したがって、まずは実際の子どもの指導に集中するまでの環境整備が大事…、いや大変だということを肝に銘じておかなければならないと思います。 そういう意味では、現在、子どもの指導に専門的に取り組んでいらっしゃるインストラクターの先生方というのは、特にコミュニケーション能力やマネジメント能力に秀でているといえるのではないでしょうか。

今、“どろんこ”という名称の保育園が話題になっています。それは裏を返せば、完全抗菌のきれいな室内環境下で育っているから、裸足になれない子どもたちがいかに多いかという表れでもある。

また、冷暖房完備の部屋で育ってきているので、汗をうまくかけない子どもたちもいます。汗腺の数というのは、乳幼児期に過ごした環境だといわれ、2歳半ごろまでにはその数が決まるそうです。ところが、1年を通じて暑くもなく寒くもなくという環境で育つと、あまり汗をかく必要がないので汗腺が育たない。汗をうまくかくことができなければ、体内に熱がこもることになり、熱中症のリスクが高くなるというわけです。

このように、現代の子どもたちは、少子化の影響などもあって、とても大事に、温室の中で育てられているということを私たち指導者は十分に踏まえておかなければなりません。

一方で、公園ではボール遊びや大声を出したりすることが禁止されたりして、子どもたちが遊ぶ環境は、地域社会のなかから、少しずつ削り取られているのが現状です。 ましてや子どもたちだけで外に出せない物騒な世の中だけに、安全に楽しく活動できる場所として、子どもたちを対象としたフィットネスが果たす役割は、今後、益々重要となってくるでしょう。

実際、習い事の1つとして、運動の価値観というのは、多くの保護者は理解しており、上記のような社会環境を反映して、積極的に取り組ませたいと考えている。ただ、求められているけれども、一筋縄ではいかないのが子どもの指導。

壊れやすい、特に大事な品物を宅急便などで発送する際には、「取扱注意」という赤いシールを貼り付けておきます。もしかすると、現代における子どもの指導というのは、すべての子どもたちにそのシールが貼られている状況かもしれませんね。

かと思えば、すべてお任せという保護者の方もいたりして、指導者にとって子どもの指導というのは、なかなか難しいかじ取りが求められる時代になったといえるでしょう。

だからこそ、何か悩み事があれば決して一人で抱え込まず、相談できる、同じ分野の指導仲間とのネットワークを日頃からしっかりと築いておいたほうがよいでしょう。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 2017年2月号に掲載された内容を基に構成しています。

*本シリーズは現在(2019年3月)も好評連載中です。ぜひ最新号もご覧ください♪

*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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