フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 019
相談:
高齢者を対象とした音楽のテンポについて悩んでいます。
BPMの目安について教えてください。
回答:
単純に曲を遅くすればいいというものでもありません。
メンバーの意見にも耳を傾けながら、最大公約数を選択しましょう!

一般の人を対象としたレッスンにおいて、通常「普通」といわれているBPMはどれくらいでしょうか? これには、おそらく人によって感覚的な違いがあるのではないでしょうか。

したがって、以下に述べることは、私自身の「普通」の感覚を元に話を進めていくことを、あらかじめお断りしておきます。

中高齢者の場合、速いテンポのレッスンであってもステップエクササイズくらいであろうと考えると、おそらくBPM128(以下BPM略)くらいまでが上限ではないでしょうか。

中高齢者を対象としたレッスン用のCDシリーズにはローテンポ、及びスローテンポなどのバージョンがあります。ちなみにローテンポは118くらい。さらに遅いスローテンポになると、108 ~ 110です。

実際のレッスンにおけるおおよその目安としては、120程度になると、ゆっくり足踏みするようなイメージなので、それ未満になると、かなりまったりとしたクラスといえるかもしれません。108になると、むしろ一般の人には歩きづらいほどゆっくりです。ましてや、脚の動きがおぼつかないような方々であれば、「音に合わせて歩きましょう!」と言っているどころではありません。したがって、高齢者の場合には単純に曲を遅くすればいいというものでもないのです。

その場での足踏みと歩行とではやはり違います。高齢者の場合には、足踏みであれば、意外と踏むことができるものですが、前後左右に歩いたりすると、躓いて転倒してしまう危険性を秘めています。

ただし足踏みも、ゆっくりそれをしようとすると、片脚に体重をかけ、もう一方の脚を持ち上げなければならないので、かえって負荷が大きくなってしまうのです。

そこで、私の場合には、まず125くらいで様子を見るようにしています。

困ってしまうのは、これは年齢を問わず…という傾向なのですが、身体の小さな方と大きな方とでは、そもそもの動きが違うということ。バスケットボールでいうところの、俊敏なガードの選手と長身のセンターの選手との違いに似ています。

例えば、手足の長い背の高い男性の方だと、125では振り回されてしまうけれども、小さい女性の方であれば、130でもシャカシャカ動けるというケース。この2人が同じレッスンに参加した場合には、やはりケガ予防の面から、前者の方に合わせる必要があるでしょう。

身体の動きが曲のテンポについていけないと、これも中高齢者に限らず、誰もが慌ててしまうものです。なんとかしてリズムに乗らなければ、乗らなければという、気持ちばかりが先行して、焦ってしまう。「慌てなくてもいいですよ」と声掛けしても、アタフタしてしまうのです。

また、曲調によっても、ノリノリになるものと、アタフタするものとがあるようです。高齢者の方々の場合、どちらかといえば、スウィング・ジャズ系を好む方が多い傾向にあるのではないかと感じています。すなわち、低音でメロディラインがはっきりしているほうが感覚的には順応しやすいようです。

一方で、シャカシャカ系は苦手かな、と。ラテン系は好みが分かれるところです。いずれにしても、人の好みはさまざまなので、メンバーの方々の意見にもしっかり耳を傾けながら最大公約数を選択するのがベストだと思います。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 2017年3月号に掲載された内容を基に構成しています。

*本シリーズは現在(2019年5月)も好評連載中です。ぜひ最新号もご覧ください♪

*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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