フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)
- 年齢を重ねるに従って「ケガの予防」について真剣に考えるようになってきました。
どういったことに備えていればよいでしょうか? - まずは基本の徹底、当たり前のことを当たり前にやるのが一番の予防。
加齢によって高まるケガのリスクにも、日々の地道なトレーニングほど必須です。
皆さんもご存じの通り、ケガ(スポーツ傷害)には、外傷と障害とがあります。
外傷とは運動中の転倒、衝突などの1回の外力により組織が損傷した場合に起こるケガで、打撲、骨折、捻挫、肉離れ、靱帯損傷などがそれに当たります。一方、障害とは比較的長期間にわたって繰り返される過度の運動負荷(オーバーユース)により、組織が損傷した場合に起こる痛みを主とした慢性的な症状のこと。疲労骨折、関節炎、腰椎椎間板ヘルニアなどがそれに当たります。
では、インストラクターの場合にはどうでしょうか?
まず、外傷については、メンバーの方々にいつも指導していること――例えば、スクワットポジションでは、膝とつま先との方向をそろえるなど――が自らも正しくできていれば、そうそうアクシデントというのは起こるものではありません。つまり、当たり前のことを当たり前にやっていれば、それが一番の予防になるということです。
たまに、かかとを着かないで走っていたり、腰が反り過ぎてない? という方を見かけることがありますが、基本が徹底されていないことや過信などが思いもよらないケガにつながってしまうもの。油断こそが大敵であることを肝に銘じておくことが重要です。
当然のことながら、普段からバランスのよい身体づくりを心がけておく必要もあります。もちろん、これは外傷・障害問わず、であることはいうまでもありません。
そういう意味では、私たちインストラクターがより注意しておかなければならないのは、むしろ障害のほうといえるかもしれませんね。
例えば、柔軟性が求められるレッスンばかり行っていると、身体の関節が緩んでしまうという弊害があります。真の柔軟性というのは、床にベターッとつくけれども、素早く引き戻せるような筋力があったほうがいい。したがって、普段から障害予防の一環として、関節をコントロールする単関節筋群の強化にも努めておくことをお勧めします。
ケガのリスクというのは、加齢に伴って必然的に高まっていくことが予測されます。これは誰もがやむを得ない運命として受け入れなければならない現実です。でも、だからこそ『備えあれば憂いなし』なのです。
それを怠っていると、ある日突然、「えっ、いつも通りなのになぜ?」と呆気にとられてしまうほど不意のタイミングで、身体に異変が襲ってくる危険性があります。特に中上級者向けに実施する“ターン”には、要注意といえるでしょう。
そこで、年齢を重ねていくに従って、自らが提供するプログラムに工夫を加えることなども、リスクマネジメントという観点から忘れてはならないと思います。そしてだからこそ、日々の地味で地道なトレーニングほど必須といえるのです。
また、前回のQ&Aでも紹介しましたが、特にベテランの域にさしかかってくると、長年にわたり脚を酷使しているので、その対策の一つとして機能面でサポートしてくれるスパッツをはくなど、自らに対する気遣いも忘れてはなりません。レッスンの数が多ければ多いほど、そういったウエアなども積極的に活用すべきではないかと思います。
決して安いものではありませんが、『身体が資本』の仕事だからこそ、そこに重点的にお金を費やすことはあり、なのではないでしょうか。
取材・構成/光成 耕司(彩光舎)
- ■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
- 〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。
*本記事は、『月刊ジャパンフィットネス』 2017年4月号に掲載された内容を基に構成しています。
*回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。
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