フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!フィットネスなんでもQ&A ― 指導現場の悩みと疑問に ベテランインストラクターが回答!

フィットネスに関する様々な疑問や指導上の悩みについて、第一線で活躍するベテラン インストラクターがお答えします。
(回答者:吉田 真理子/秦フィットネス研究所)

Vol. 025
相談:
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、私たちフィットネスインストラクターが貢献できることは何でしょうか?
回答:
これを機に、運動を始めてみようという人も多いはず。
より多くのフィットネス愛好者の獲得にもぜひ努めたいものですね。

以下に述べることは、あくまでも個人的な考えであることをまず、お断りしておきます。私は、とにもかくにもせっかく日本で開催されるのだから、日本の文化にしっかりと根付いたものを紹介するのが本当の意味での国際貢献ではないかと思います。

ただ、日本文化として生まれた「和」を基調としたフィットネス・プログラムというのは、一時的に話題にはなるけれども、それはなかなか定着しない。発想は面白いけれども、一大ムーブメントにはなっていないのが実情ではないでしょうか。

エアロビクスは元々アメリカから入ってきた運動文化をベースとしているので、日本文化との融合という面において、相容れないとまではいわないまでも、なかなか難しいのかもしれませんね。

でも、よくよく考えてみると、スポーツと違い、次から次へと新陳代謝を繰り返すのが、フィットネスの特徴でもある。それこそがフィットネスという考え方があるのも事実です。そう考えると、あえて日本独自と肩ひじ張る必要などなく自然に振る舞えばよいのかもしれません。

そういう意味でいえば、スポーツ文化とフィットネス文化とは、「保守」と「革新」の違いに似ているような気もしますね。どちらも同じように身体を躍進させる文化にもかかわらず、両者の間に微妙な乖離が生じているのは、実はそういったところにも理由があるのかもしれません。

でも、せっかくこの時代に生きているのですから、スポーツの祭典である2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催は私たちフィットネスインストラクターにとっても絶好のチャンスと捉え、ぜひ何かしらの足跡は残したいものです。

それが果たして何であるのか。私たちに何ができるのか。日本にも独自のフィットネス文化があることを、海外からやってくる外国人の方々にはもちろん、同胞の日本人にも知ってもらうためには、どういった取り組みが必要なのか。私自身もこの機会に、真剣に考えてみることが、今後のフィットネス界の発展を願う一人として、果たさなければならない役割だと思っているところです。

とはいっても、決して見栄を張る必要はないし、ましてやビッグイベントに便乗したと思われてしまうのは、私たちとしても本意ではありません。フィットネスの素晴らしさを粛々と伝え、広めていくことこそが、私たちの務めであることを忘れてはなりません。

例えば、子どもたちの体力アップに対する取り組みなどもその一つでしょう。スポーツにおける技術の習得は、それぞれの競技・種目の監督・コーチの役割ですが、それ以前のリズムに乗って体力をつけたり、身体の動かし方などの基礎・基本は、私たちフィットネスの人間が最も得意とするところです。

すなわち、子どもたちに対して、運動という名の門戸をもっともっと広げていくこと。より長い“底辺”をつくることが、その後の子どもたちの人生にも大きく影響を及ぼすであろうことは、火を見るよりも明らかです。そして、まさにそれこそが私たちの重要な役割の一つといえるのではないでしょうか。あるいは、中高齢者に対するアプローチも忘れてはなりません。東京オリンピック・パラリンピックを機に、運動を始めてみようという人は多いはず。より多くのフィットネス愛好者の獲得にもぜひ努めたいものですね。

取材・構成/光成 耕司(彩光舎)

■回答者: 吉田 真理子さん (秦フィットネス研究所)
吉田 真理子さん
〈よしだ・まりこ〉 秦フィットネス研究所 所長。NPO法人フィットネスビューティ100代表理事。「長生きストレッチ」考案者。健康運動指導士。日本フィットネス協会エアロビクスダンスディレクター・エグザミナー・ADI。医療施設のメディカルフィットネスチーフ、企業フィットネス責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当などを経験した後、フリーとして独立。シニアフィットネスの専門家であり、女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクターとして活躍するインストラクター&パーソナルトレーナーである。

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