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求人アドバイス

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Vol. 02

フィットネス業界へ転職したいと考えていますが…

相談:
特に専門的な勉強をした訳ではないのですが、以前からフィットネス業界に憧れがあり、転職を考えています。年齢も若くないので不安なのですがチャレンジしてみたいのでアドバイスをお願いします。
(フィットネス歴11年 36歳女性)
回答:
営業・管理部門に就きたいのか、現場のスタッフとして活動したいのか自身の方向性を明確にした上で
転職活動をしていくことが大切です。
回答者: 後田 慎吾さん
株式会社メガロス 運営推進部 プログラム課 課長。AFAA 検定スペシャリスト。ZES ZUMBA教育スペシャリスト。料理人からインストラクターになった異色の経歴の持ち主。プログラム開発や後進の育成に携わりながらも、現役インストラクターとして多数のレッスンを持っている。 【HP】 http://www.megalos.co.jp (※プロフィールは2012年当時のものです)

フィットネス業界への転職

転職の際一番気になるのは、年齢とキャリアの関係だと思います。募集・採用に関して年齢制限を設けることは法律で禁止されていますが、フィットネス業界に限らず、日本社会では現実問題としてある年齢を過ぎると採用されにくいという現状があります。フィットネスクラブも決して例外ではないでしょう。しかし、こうした問題は、希望する業務や契約の内容によって異なります。専門性を必要とする業務委託契約においては、特に年齢を気にする必要はないでしょう。企業は高い専門性を持ち人生経験豊富な方を求めています。

社員になりたい場合は、本社で管理・営業の部門に就きたいのか、店舗で現場の運動指導に就きたいのかということで、全く状況が異なってきます。管理・営業部門に関しては、接客、CS、ショップのディスプレイなど繊細な部分にまでアイデアを出したり気配りをできる人材を必要としています。例えば、アパレル、百貨店などの接客の第一線に従事していたり、OAスキルが高い方であれば、十分に採用される可能性があるでしょう。専門性はなくても客観的な目で指摘してくださる方というのは業界にとって貴重な存在です。社員に求められるのは、会社組織という指示系統の中で柔軟に対応できる能力。スペシャリストよりも多岐にわたる業務内容をこなせるジェネラリストを求めています。現場の部門に関しても、社員であれば駅配や宅訪など、営業や販売促進の運動指導以外の業務内容も十分に理解することが前提になってきます。

「隣の芝生は青い」ということわざがありますが、異業種は魅力的に見えるもの。フィットネス業界には厳しい社風の企業もありますし、接客業ですので決して楽な業種ではありません。その人がなぜフィットネスに従事したいのか明確な理由付けがない限り、採用されることは難しいでしょう。フィットネス業界に就職したい場合、アルバイトで地道に結果を出し、社員登用を目指すのも一つの方法です。メガロスではアルバイトの方は非常に大切な人材として考えています。新卒内定率が低下し社会問題になっていますが、アルバイトから真剣に社員を目指してくれるスタッフは企業も貴重な即戦力として捉えてくれるでしょう。もちろんフリーランスの指導者を目指す前段階としてのアルバイト勤務も歓迎しますし、スポーツ競技をやってる方も応援しています。ただ、アルバイトには現実的に人件費コントロールがかかってきますので、質問者のような年齢、キャリアの方には少し厳しい面もあるかもしれません。

求められる人材とは

今は不況だから社員になりたいと考えているフリーランスの方もいるかもしれませんが、生活が安定するからという消極的な理由だけでは、企業は採用してくれません。具体的にどのような形で企業に貢献できるのかを伝えなければいけません。日本のフリーインストラクターの報酬は決して安くありません。企業もその点を再度見直す流れが出てきており、各社、商品の内製化に力を入れています。そのため社内の教育システムを充実させ、以前より非常にスキルの高い社員が増えているのです。フリーランスの方はそうしたレベルの高い社員以上の能力を持っていなければいけない時代になってきたのです。社員とは対称的に、フリーには確固たる信念がないといけません。不安を感じるのであれば、自分の対価を一度見つめ直すことも必要でしょう。

また、キャリアを積んでくるとオーディションをうける機会が少なくなってきます。ネームバリューや口コミで採用される時代は終わりましたので、ベテランになってもオーディションを積極的に受けることが必要になってくるでしょう。運動指導者としての自覚をもってスキルをアップデートすることも必要です。オーディションも一般の面接と一緒です。そのクラブが、何店舗展開してるのか、親会社や系列会社はどこかといったバックグラウンドまで知っている必要があります。これらは知らなくてはいけないというより、自ずと興味が出てくるもの。自分の働きたい企業に興味を持てなければ、顧客にも興味を持てるはずがないと判断されてしまいます。

鉄は熱いうちに打て

私事ですが、質問者の方に参考になるかも知れませんのでお話させて頂きます。私の実家の家業は飲食業で、父が早くに亡くなったため、家族を養うために修行し私が店を引き継ぎました。そんな時期に、テニスを趣味ではじめ、そこで初めてスポーツクラブに出会いスタジオレッスンを体験したのです。学生時代、音楽の教師を目指していたので、音楽を上手く活用したプログラムに魅了されました。その後、すぐに養成コースを受講し卒業。14年くらいは飲食業とインストラクターの二足のわらじを履いていました。そしてレッスンにのめり込むうちに、自分の実力を試してみたい気持ちが強くなり、九州の福岡から東京に出てきたのです。そこでメガロスのオーディションを受け採用され、ちょうど事業を拡大する時期だったのでレッスンを週に30本くらい担当させてもらいました。そのうちスタジオのサブアドバイザーや店舗のスタジオチーフを任されるようになって、最終的に、社員登用されたのです。私は非常に特別なケースだった訳ですが、年齢やキャリアの問題を飛び越えて現在、社員として働いている訳です。

まず、実際にレッスンできるかどうか別として養成コースやオーディションに果敢に挑戦したことが現在の状況に繋がってる気がします。インストラクターをやりたいと思ったそのときが絶好のチャンスです。「鉄は熱いうちに打て」という言葉がありますが、仕事が忙しいとか、時間がないといったことは障害になりません。悩んでいる暇があったらまずは養成コースを受けてみてほしいと思います。忙しいときこそ集中力が高まります。大事なのは養成コースを卒業してから。オーディション受け、なんでもよいので仕事がきたらやってみる。そうしたことで道が開けてきます。すでにインストラクターとして活動している人も、指導者の指導者として活動できるスキルや知識を獲得していくことも大切です。そうした能力を磨けば、プログラム開発スタッフや、インストラクターの教育・管理等で、クラブから固定フィーを得るなどの可能性も出来てくるのです。

雇用の流動化が進み、大手企業も新しい採用方法を模索するなど新卒一斉採用が崩れかけています。現在は不況で社員からフリーへの転身は激減していますが、企業もよい人材を輩出するということ自体がイメージアップにつながるので、独立をサポートするようになってきました。日本では転職=負のスパイラルというイメージがありますが、独立やフィットネス業界からの転出と言った場合でも、フィットネスで培った対応力、自己アピール、自分のコントロール法は活きてくるでしょう。フィットネス業界では嘘の商品を扱っていません。これは非常に誇りをもっていいことです。私はフィットネス業界に夢を抱いて東京に出てきたのですが、フィットネスが好きで、その中で夢を叶えたいという強い意志があれば、受け入れてくれる企業は少なくないでしょう。

(取材・文 塚本 建未)

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 の連載コーナー「FITNESS Q&A」にて、2012年に掲載されました。

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