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Vol. 04

なかなか採用されません…! オーディションに受かる秘訣は?

相談:
フィットネスクラブのオーディションを沢山受けているのですが、なかなか採用に結びつきません。オーディションに受かる秘訣を教えてください。(フィットネスインストラクター歴2年 28歳女性)
回答:
応募する企業を深く知ろうという気持ちを持ち、
採用条件と自分の希望を的確に見極めていく事が大切です。
回答者: 松島 由起さん / 多田 厚さん
・松島さん: 株式会社ジェイアール東日本スポーツ フィットネス事業部 サブグループリーダー
・多田さん: 株式会社ジェイアール東日本スポーツ フィットネス事業部 副部長
【株式会社ジェイアール東日本スポーツHP】 http://www.jresports.co.jp (※プロフィールは2014年4月 取材当時のものです)

採用条件を十分に理解する

松島 由起さん 多田 厚さん

よく言われる事ですが、オーディションは一般の会社の面接と同様で、専門的な知識やスキルだけでなく、その人の人間性も重視されます。非常にありがたい事ですが、弊社では、オーディションに沢山の応募がありますので、最初に書類による審査を行って、セレクションにかけています。この書類審査で、保有資格、指導経験や指導歴、店舗で求めているレッスンの枠と本人が希望するスケジュールが合っているかどうかといった基本的な応募条件について確認し、次のステップに進んでもらう人を判断しています。このように書類で、ある程度スキルやキャリアをチェックしているので、オーディション当日は、見た目の清潔感や身だしなみ、あいさつなどの礼儀作法といった第一印象からわかる人間性の部分を最初に見ていくことになります。

もう一つ、採用における重要な条件としてレッスンフィーの問題があります。就職活動では売り手市場、買い手市場という言葉がよく使われますが、応募人数が多い場合は、買い手である企業の側の選択が強く働くことになります。こうした状況では、最初から高いフィーを設定している人は、どんなに高い知識やスキルを持っていたとしても採用の条件から外れてしまう可能性が高くなります。レッスンフィーの希望最低額を、どこに設定するべきかは、フィーの相場と、今置かれている自分の状況を照らし合わせて見極めていく必要があるでしょう。

オーディションでは、まず採用されることが一番重要です。仮に、自分の希望するフィーよりも若干低い額で仕事をスタートすることになっても、採用後は、インストラクター側に選択肢があります。もちろん、契約した責任を果たす必要がありますが、条件が合わないと感じるのであれば、そこから今後どうするかを考えていくことも可能です。次の契約更新をしないという判断もできますし、本当に企業が必要な人材であると思わせるような実績を積んでいけば、そこから自分の希望するフィーへ近づけていく交渉ができるようになる場合もあるでしょう。その採用条件でやる価値のある仕事なのかということを、事前にしっかりと考えておくことは非常に大切な作業です。

求められる知識やスキルとは

次にスキル面での評価についても説明します。オーディションでは動作スキル・インストラクションスキル・プログラミングスキルという3つのポイントをチェックして判断していきますが、弊社では実際にジャッジしていくのは、オーディションを総括する担当者(現在は松島氏)、各プログラム専門のアドバイザーになり、そこに(ジャッジには加わりませんが)各店舗のプログラム担当も同席するという形をとります。

スキル面の評価での弊社の傾向を一つ挙げると、比較的大きいスタジオを多数抱えているので、大人数を対象とした指導ができるかどうかということが重視される点があります。動きのクリアさや、はっきりと遠くまで伝わるキューイングといった大人数を指導するのに必要な要素がなければ、どんなにプログラミングが上手くても、弊社のレッスン内容に合わないといった判断になるでしょう。民間の大手スポーツクラブのオーディションに臨むのであれば、大人数のレッスンを担当する経験を、先行投資的に作っていくこともキャリア形成で重要になってくると思います。

また、エアロビクスではレベルで分けられているレッスンもまだ多くあるのですが、他のプログラムではレベル分けのないレッスンが増えている傾向にあります。初心者の方も、ベテランの方も両方満足させられるような指導スキルやプログラミング、参加者への気配りといった要素もチェックされるポイントになります。

読者の皆さんは、採用後の評価も気になるところでしょう。フィットネスクラブの全体的な傾向として、インストラクターの評価は、査定から、集客にシフトしています。弊社でも、担当者が非常に悩んだ末に、現在は集客による評価へ切り替わっています。どんな企業でも同じだと思いますが、休んでばかりだったり、ガイドラインを守らなかったりなど、本当にクオリティの部分に問題があれば、契約を継続しません。ある程度のレベルが確保できているということを前提に、集客によって個々のレッスンを評価しているのです。

重要なのは、私たちが、顧客に望まれるインストラクターになってほしいと願っている点です。査定は年に1回なので、極論を言えば、実技査定の瞬間だけ高い能力を発揮することも可能です。スキルや知識を持っていることが大切なのではなく、それがレッスン参加者にどう伝わるかを含めてスキルと考え、集客による評価を行っていると捉えてほしいと思います。そして、その知識やスキルを出し続け、参加者に支持されることが大切だと考えます。集客数は、時間帯やプログラム内容も考慮して検討していますので、まったく違う条件のレッスンを集客人数で評価している訳ではありません。逆に前任者との比較など同じ内容・同じ時間帯で集客が異なれば、その差は重要視されるでしょう。

応募する企業を深く知ること

応募する企業やクラブに関する情報は、自ら積極的に収集していく必要があります。学校受験の面接では、第一志望であるかどうか問われる事があると思いますが、それは、どれだけ本気で本学に入学したいかという意志を確認するためです。例え、第二、第三志望であっても学校に見学にいったり、説明会に参加し、入学後のビジョンを描いている受験生には、面接官は好感を持つでしょう。企業の採用担当者も同じです。ホームページなどで、そのクラブの沿革や、親会社との資本関係、事業内容などを興味をもって情報収集したり、実際にクラブに見学に行くといった、企業を深く知ろうという気持ちや行動は採用する側に好印象を与えます。ジェイアール東日本スポーツで言えば、フィットネス事業は事業内容の一部門であり、他にもフットサル場やマッサージ店を運営したり、介護事業なども行っていることは知っておいて欲しい内容です。

また、鉄道会社がフィットネス事業を展開する意義についても考えてみることも対策の一つです。一般的に、鉄道事業は、人口の減少によって利用者数も減少するだろうと予想されていますが、そうした社会状況の中で、各鉄道会社は鉄道以外の事業にも価値を見出しているのです。沿線の利用価値向上、沿線の住民へのサービス品質の向上が、沿線の利用数増加にも繋がってきます。

私たちは、この沿線に住んでよかったなと思ってもらえる地域・コミュニティづくりに貢献できる鉄道事業と相関性の高い事業の一つに、フィットネス事業があると考えています。さらに、私たちJR東日本グループでは、高齢化が進む社会の中で、活動的で健康な高齢者の方が増えることが、鉄道の利用数の維持、さらには増加に繋がるという考えものと、フィットネス事業と合わせて介護事業も展開しています。一方で、総合型クラブの入会者平均年齢は、他社と比較して5歳~8歳若いので、中高齢者だけでなく、若い層に向けたプログラムにも力を入れています。都市型の店舗は、駅に近くアクセスも良いので、就業地から近いという理由で入会される方も数多くいます。こうした会員向けのレンタルサービスも充実させているのですが、インストラクターにはこうした特徴なども考慮して、レッスンを展開していってほしいと考えています。また、カスタマーサービスにも力を入れていますので、顧客におもてなしするという姿勢で業務にあたってもらうようにインストラクターにもお願いしています。

最後になりますが、インストラクターは雇用契約ではなく、プロとしての業務委託ですので、対等な関係の中で、お互いが高め合ってサービス品質の向上に努めていきたいと私たちは考えています。運動指導は、サービスを提供している側が「ありがとう」と言われる醍醐味を味わえる数少ない仕事の一つ。多くの方々に「ありがとう」といってもらえる人を私たちは求めているのです。

(取材・文 塚本 建未)

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 の連載コーナー「FITNESS Q&A」にて、2014年4月号に掲載されました。

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*ご協力くださった回答者のプロフィールは、掲載当時のものです。

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