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Vol. 05

それぞれの施設に応じたオーディション対策を考えたいのですが…

相談:
フィットネスシーンが多様化し、様々な事業形態についていけないせいか、オーディションに落ちてしまうことが増えてきました。それぞれの施設に応じた対策を考えたいので、これについてアドバイスが欲しいです。(インストラクター歴7年 35歳女性)
回答:
指導スキルだけでなく、社会人としての常識やマナーや、人柄も重要な採用ポイント。
事業パートナーとして施設に貢献できる人を求めています。
回答者: 長南(ちょうなん) 幸代さん
住友不動産エスフォルタ株式会社 フィットネス事業部スタジオディレクター。
日本フィットネス協会認定エアロビクスインストラクター。全米アクアエクササイ協会認定インストラクター。
2013年国際フィットネス総会(IAFC)日本代表プレゼンター。
1991年からフリーインストラクター活動を経て2007住友不動産エフォルタに契約社員として入社。
2010年スタジオディレクターとして正社員登用。現在に至る。
【住友不動産エスフォルタ Webサイト】 http://www.esforta.co.jp/ (※プロフィールは2015年2月現在のものです)

エスフォルタで行われるオーディションについて

エスフォルタで実施するオーディションの審査項目は、実技と面接の2つです。 どの企業でもそうだと思いますが、大前提として指導スキルと人柄の両方を兼ね備えた方を求めています。ただし、あえてどちらかを重視するとしたら、それは人柄です。仮に指導スキルが足りなくても、面接で受け答えがしっかりしていて、弊社のカラーに合っている方であれば採用ということもあります。

弊社のスタジオプログラムの品質管理の特色としては、フリーのインストラクターにも毎回のレッスン前に、CPRの訓練を実施しているなど、顧客の安全管理を非常に重視している点があります。 これらの方針に賛同できるか、また、自身のレッスンで、どのように安全管理について気をつけているかとうことを、面接では重点的に聞きます。こうした安全面に関する質問に対して、紋切り型の答えではなく、スムーズに自身の考えを語れる方は、評価が高いです。

安全面に関する配慮は、指導スキルのジャッジをしていても、目配りの仕方や、声がけの仕方をみているだけでわかります。運動効果、楽しさ、安全面という3つのバランスがとれている人を採用したいというのが弊社の方針です。

また、弊社では、直営店と同じくらいの規模で、指定管理先のスポーツ施設運営事業を展開しています。インストラクターの採用は、それぞれ店舗ごとでなく、直営店と指定管理先を一括して、合同オーディションというかたちで年2回実施しています。 このオーディションで合格になったあと、本人の希望を考慮しながら、配属先が決められます。全店舗で同じ質を保つために、スキルジャッジは、スタジオディレクターである私が必ず目を通し、面接は、各施設の責任者達が必ず複眼審査で行います。

応募施設別の求められる人材とは

このように、一括採用なので、弊社の場合、ピンポイントで施設別の対策というのはないのですが、求められる人材というのは、店舗によっても少しずつ異なってきます。

エスフォルタは直営店が都内に6店舗、横浜に1店舗展開しています。その多くは都心のビジネス街に隣接しており、前述の運動効果、楽しさ、安全面にプラスして、ビジュアル面も重視されるポイントです。トレーニングで自身の身体もしっかりと鍛えられており、憧れられるようなスタイルや、見た目の美しさを持っている方は、採用のポイントは高くなります。 また、場所柄、顧客にエグゼクティブな層の方々も多く、そうした方々とコミュニケーションをとるのに相応しい、基本的な挨拶や礼儀作法といった接客面の能力も問われます。

首都圏に16施設、指定管理先を運営しているのも弊社の特色の一つです。指定管理先は、3つの要素に加えて、親しみやすさや、安心感といった雰囲気がしっかりと出せているかということを重視しています。 また、直営店でも、昼間は地元の中高齢者の方々が多く来店される店舗がありますので、そうした時間帯のレッスンについても同様です。若い方よりも、ある程度年齢を重ねたベテランのインストラクターの方が、身体面や私生活で抱えてる問題が同じような世代なので、共感を得やすく、安心感を持たれ易いからです。

採用について年齢を気にされる方も多いと思いますが、そこはあまり関係はありません。健康体操系の指導のニーズが高いので、それらの指導ができる方もポイントが高いです。 これらの施設は、子供から、高齢者まで多様な年齢層の方々が来る現場であり、それに応じて様々なカテゴリーのプログラムに対してニーズがあります。

フィットネスシーン全体を見ても、プログラムが細分化されてきていますので、フリーのインストラクターは、複数の指導カテゴリーを持っている人の方が採用され易いです。一本だけでなく複数のレッスンを一人で担当できる人の方が、コスト面を抑えられるので企業としてはありがたいのです。

指定管理先では、それぞれの施設によって設備や環境が全く異なります。総合スポーツクラブ型の現場もあれば、ホールだけが沢山ある施設もあります。体育館の場合は、メインの体育館でレッスンを行うことは少なく、付帯施設である会議室や多目的室でレッスンを行うことが多いので、通常のスタジオとは全く異なる環境です。
例えば、鏡がない施設もありますし、あったとしてもキャスター移動式の大鏡を何枚か使用するといったスタイルが多いです。普段、鏡を使って、背面でレッスンを行っている人の場合、対面で指導しなければいけないので、臨機応変な対応ができないと、困惑してしまうでしょう。
こうした状況では、安全面についても死角が多く生まれますので、そうした状況も想定した対応ができる方を求めています。

事業のパートナーであるという意識を持つ重要性について

他のフィットネスクラブと同様に、クラブの母体がどういった企業なのかを知っておくこと、フィットネスに関連する事業に関して把握しておくことは、面接の際にも有利に働くでしょう。 エスフォルタは、住友不動産という企業が親会社です。ホームページでわかる範囲で構いませんので、エスフォルタの事業内容及び親会社の事業内容についてもある程度把握しておいてほしいと思います。

スキルや人柄以外にも、オーディションに来る時の私服は大切です。レッスンウエアで来て、そのままオーディションに臨む方が、時折見受けられますが、こうした対応は印象が良くありません。 服装は自由ですが、TPOや店舗エリアの雰囲気に合わせて、清潔感のある洗練されたファッションを選ぶのが好ましいです。レッスンウエアもカテゴリーに即したウエアを着用し、髪型やメイクにも清潔感があるように気を配りましょう。

応募書類に関しても自分の見せ方を意識し、上手にアピールすることは大切です。添付すべきものが揃っているかという基本的なことはもちろんのこと、志望理由に、このクラブで働きたいという熱意や、採用後にどんな貢献ができるかといったことが書かれているかどうかをチェックします。

各項目2~3行書いただけで、余白が多い履歴書では、なかなか採用担当の目に止まりません。字も、上手である必要はありませんが、読む側に配慮した丁寧な筆跡であることが大切です。間違った部分を修正ペンで直しているようなものは、その段階で、採用をしません。 このような書類面の審査について、少し厳しく思われる方もいるかもしれませんが、こうした面でも細かな部分に気を配れるかということは、レッスン内容や接客態度にも直結します。

写真も適当に撮影したものでなく、なるべくならスタジオで撮影したものが準備できると理想的です。ただし、メイクや加工をしすぎて、あまりにも実際の本人と異なっている場合などは、逆効果になりますので、ありのままの自分の魅力が伝わる写真を添付しましょう。 書類選考で不採用になってしまうのは非常にもったいないことですので、この点は気をつけてほしいと思います。

エスフォルタでは集客実績の評価に加え、年に1回、査定を実施しています。スキルチェックは、グループ査定で行いますが、グループ査定が難しいプログラムについては、ライブ査定で現場に見に行きます。 この集客・査定と、ロイヤリティが評価の3本柱です。ロイヤリティは、レッスンを持っている各施設の責任者を含めたスタッフが、複眼で「会社に対する貢献度」や、「施設内での立ち振る舞い」といった項目に点数をつけ、公平にロイヤリティ評価を行っています。

こうした評価は、インストラクターの実力や人柄を正当に評価するためのチェックでもあります。これらの評価に加え、査定と同時にCPRのチェック、筆記テストを実施するのが、弊社の品質管理になります。

クラブの方針を理解しつつ、各施設に合わせた集客できるレッスンを、根拠を持って提案してくれる方は非常に戦力となるので、大歓迎です。なおかつ、店舗のスタッフやマネージャーともコミュニケーションがとれる方と是非、一緒にお仕事をしたいと思います。
もともと私自身もフリー歴が長く、エスフォルタの前身であるノーチラスクラブの時代から、エスフォルタで仕事をさせてもらっているのですが、その時から、様々な提案をさせてもらって社員の方と一緒にクラブを作り上げてきた経験があります。

フリーのインストラクターは、クラブの大切なパートナーでありチームの一員です。一緒に業績を上げれるように、お互い手を取り合って、良い関係を作っていきましょう。

(取材・文 塚本 建未)

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 の連載コーナー「FITNESS Q&A」にて、2015年2月号に掲載されました。

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