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Vol. 06

ヨガ・ピラティス専門スタジオのオーディションや社員採用について教えてください。

相談:ヨガ・ピラティスのインストラクターオーディションや社員採用について教えてください。
今までフィットネスクラブでインストラクターとして活動していたのですが、ヨガとピラティスの指導資格取得を機に、専門スタジオで働きたいと思うようになりました。専門スタジオのオーディションや社員採用の対策について詳しく教えてください。 (インストラクター歴12年37歳女性)
回答:
オーディションや社員採用の対策において、重要なのは、その応募先の企業の掲げる理念を理解し、賛同した上で臨むことです。
回答者: Kenさん / Mahoさん
●Kenさん: YOGAPLUS ヨガインストラクター。日本大学大学院を卒業後、日本大学付属明誠高等学校音楽科講師、劇団四季ミュージカル俳優を経てヨガインストラクターになる。
●Mahoさん: 株式会社ぜん スクール事業広報担当。YogaWorks ティーチャートレーニング、BASIピラティス養成スクール、BMSR-Labなど各種ヨガ・ピラティスの資格取得スクール、健康に特化したワークショップスペースなどの広報を担当している。
【株式会社ぜん】 http://zen-jp.info (※プロフィールは2016年3月 取材当時のものです)

正社員採用とオーディションについて

Kenさん Mahoさん

株式会社ぜんでは、BASIピラティス、ピラティススタイル、ヨガプラスという3つのブランドで、全国にスタジオを展開しています。その他に海外のホットヨガ団体からの委託で行っているスタジオがありますが、今回は、この3つのブランドの採用・オーディションについて説明します。

BASIピラティスは、BASIという流派のインストラクターが在籍しているスタジオです。一部フリーランスの方もいますが、9割程度が正社員です。ピラティススタイルは、全員がフリーランスのインストラクターです。ヨガプラスは、様々な流派のヨガインストラクターが在籍しており、8割くらいが正社員で、残り2割程度がフリーランスです。

正社員採用は、スキルや専門的知識よりも、その方の仕事に対する意欲を重視しています。そのため、未経験の方や、まだ資格を取得されてない方も応募可能です。選考は、会社説明会申込→会社説明会→再応募→面接といったフローで行われます。再応募について補足すると、ミスマッチを避けるために、会社説明会に参加後、私たちの掲げる理念や経営方針を理解してもらった上で、本当に応募するのかを再確認してもらうためのプロセスです。この再応募で、もう一度申し込まれた方が面接に進みます。

正社員を多く採用するのは、ヨガやピラティスといった何か一つの学びを深めて、それを仕事したいと考えたときに、その専門の仕事一本で、生活ができるようなキャリアモデルを構築することが、良い人材を集める上でも重要だと考えているからです。特に男性の場合、不安定だからという理由だけで、インストラクターを生涯通じてやっていく職業とすることに、迷いや不安を感じる方も多いかもしれません。近年は働き方や男女の役割も多様になってきていますが、こうした現状は業界全体にとっても大きな損失であり、改善しなければいけないと考えています。

フリーランスの場合は、ヨガもピラティスも、基本的に経験者を採用しています。ピラティスは、BASI以外の団体でも良いので、マットピラティスの資格を取得していることが応募条件です。ヨガは、常温で行うヨガとホットヨガで採用の基準が少し異なります。常温で行うヨガの場合は、フリーランスであれば、指導歴が5年程度あるというのが、基本的な選考基準です。指導歴が5年未満だと、少し採用は厳しいかもしれません。ホットヨガの場合は、ある程度ベースのレッスンメニューがある決まったプログラムを指導していただきますので、若くてまだ経験や指導歴が浅い方でも、意欲が十分にあれば採用されます。

オーディションが行われる時期は、弊社のウェブサイトや本誌などの求人広告で告知していますので、確認してみてください。オーディションは何度でも再応募が可能です。ヨガやピラティスは、生涯学び続けるものだと考えているので、たとえ3カ月後、1年後でも、その人が成長していると判断できる場合は再チャレンジで合格になる場合もあります。これは、裏を返せば、正社員採用とは異なり、スキルが足りなければ不合格になるということでもあります。しかし、優れた人間性と、生涯学び続けて成長したいという意欲を持っている方であれば、多少スキルが不足していても、受付のアルバイトをやりながら、インストラクターとしてのスキルを磨きませんかといった条件付きの合格を出すケースもあります。これと同様の条件で、不合格になった方にも、受付業務からの採用を提案させてもらう場合もあります。

なぜ、受付業務を行ってもらうかというと、レッスン前後のクライアントとのコミュニケーションがしっかりしているというのが、人気のインストラクターの共通点であり、そうした能力を養うためには、この業務が最適だからです。受付業務と並行して、少しずつインストラクター業務もお願いしますので、その点は安心してください。指導者として成長していくためには、現場での経験が必須です。指導してはじめて自分には何が足りないのか、自分の良さや個性はどこにあるのかといったこともわかるのです。

このように、フリーランスの採用に関しても、正社員と同じように、ある程度その方のポテンシャルを見ながら、仕事の中で成長してもらうというのが弊社の基本スタンスです。
ヨガやピラティスの学びは、資格を取ったらゴールではありません。自分自身で考えて行動し、学び続けるという姿勢をもっている人を、私たちは大切にしています。弊社は、継続教育や研修制度も充実していますので、これらを大いに活用してください。

そして、そうした学びの姿勢以上に大切なのが、クライアントを一番に考えて行動できるかということです。私たちは、インストラクターを「先生」ではなく「さん」付けで呼び合っていますが、それはクライアントも一緒に学び成長する仲間であり、インストラククターは、少し先に学んでいるだけなのだと考えているからです。社会経験などはクライアントの方々が先輩で、学ぶべきことも沢山あるのです。

流派や団体に関して

BASIピラティスでは、他の団体・流派のピラティスの考え方についても受け入れています。私たちは、ピラティスワールドといったイベントを主催したり、五反田にワークショップ専門のスタジオを設けたりするなど、流派の垣根を越えた活動も行っています。また、セミナーでも他団体の指導者を呼んだり、他団体のセミナーに行って勉強したりすることもあります。ただ注意が必要なのは、最初にマットを学ぶ段階で、様々な考え方に触れてしまうと、その違いばかりが気になって、より重要な共通点に目を向けづらくなる傾向があるという点です。結局何が本質か分からなくなってしまう危険性もあるので、基本的には、BASIでマットとマシンに進んでから、その上で他の団体のセミナーに出ることを勧めています。

ヨガプラスでも流派や団体について、特に問われません。実際の指導でも、その方が専門でやっている流派のヨガをクラスで行ってもらいます。その流派や専門性については、オーディションで確認します。

ヨガやピラティスの各流派・団体の思想は、本質である最終的な目的地はどれも皆一緒で、それに至るまでのルートの解釈が異なっているだけのことです。クライアントそれぞれの考え方との相性もありますので様々な流派・団体で学んできた人が所属していることは、スタジオにとっても有益なことだと考えています。ただし、自分の流派や団体の教えが正しいと思うあまり、他の流派や団体を否定するような排他的な考え方の持ち主は、私たちは求めていませんので、その点は留意しておいてください。囚われのない心で学んでいくという姿勢が大切であり、自分の専門性を持ちながら、他の人と交流を持つことが重要だと考えます。それは例えば、和食の料理人が、フレンチやイタリアン、中華料理など、他ジャンルの料理についても学ぶ姿勢と一緒です。

企業理念を理解し賛同する重要性

弊社の理念は「心身の健康にコミットメントする」ということです。この健康とは、WHOで健康の定義として示されている身体的・精神的・霊的・社会的に良好な状態のことです。身体的な健康だけでなく、心や人間関係にも良い変容があるような包括的な健康を、クライアントの方に提供したいと弊社では考えています。美容やダイエットといった表層的なものは、私たちの求めるものではありません。本当の意味で健康である人々を増やしていくために社会貢献していくことが、私たち健康産業に従事する者の役割です。また、ヨガやピラティスを、健康になるための手段として優れた身体技法であると捉えているだけなので、それらを極めることは主たる目的ではありません。
このような企業理念に賛同できるかどうかが採用において一番重要視される点です。これは弊社に限ったことではありません。今回の回答は採用やオーディションに関する一般論ではありませんが、普通の就職活動と同様に、その企業がどういった理念を持って事業を展開しているのかを知ることは重要な対策だと思います。

対策に関連して、面接やオーディションに、どういう服装を着るべきか悩む方も多いと思います。これに関しては、弊社ではスーツでなければいけないとか、セミフォーマルが望ましいといった規定はありません。清潔感があり、社会人として常識の範囲内であれば、どんな服装でも構いません。
レッスンで使用するウエアを着てくる方もいます。ヘアスタイルも自由で、茶髪や坊主頭でも構いません。重要なのは、外に着ているものよりも、表情や姿勢、呼吸の仕方など、インストラクターの本質に関わる部分です。

最後に、私たちはすべての人がありのままの自分で活躍できる多様な社会を推進することに貢献したいと考えており、そのため人事においても、人種や宗教だけでなく、性的指向・性自認などに対する差別も撤廃していることをお伝えしておきます。既にLGBTの社員・スタッフが活躍していますので、そうした方々も含めて多くの方々にご応募いただければと思います。

(取材・文/塚本 建未)

*本記事は、「月刊ジャパンフィットネス」 の連載コーナー「FITNESS Q&A」にて、2016年3月号に掲載されました。

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