[2012年11月特集インタビュー]

ヨガ・ピラティス~成功する養成コース選びのコツ

将来の可能性を広げるためにも、自分の目的に合った養成コースを選びたいもの。
それぞれの世界で活躍中の、3人のヨガ・ピラティスインストラクターにご自身の体験を教えてもらいました。

カリキュラムの内容や講師について、事前のリサーチを

マサさん (まさ)・ヨガインストラクター
2004年に本格的にヨガの勉強を始める。2006年、アヌサラヨガ創始者、ジョン・フレンド氏の来日からアヌサラヨガの魅力に引き込まれ、アヌサラインスパイアドの認定を受ける。スタジオ・ヨギー名古屋スタジオにて指導を行っている。2013年1月から、マサ先生のベーシックトレーニングコースがスタート。

「ヨガに出会ったきっかけは、尊敬するプロサーファーがヨガを取り入れていたことから。趣味でサーフィンをしていたのですが、身体が硬くてケガをすることが多かったんです。オーストラリアなどのサーフィン大国では、プロサーファーの強化プログラムにヨガがあるんですよ」
意外にも感じられるつながりでヨガに触れたマサさんですが、その効果を身をもって体験していくことになります。

「サーフィンのほかにもスノーボードやスケートボードなども行っていたのですが、身体が硬かったために膝や股関節、腰周り、手首など、ほぼ全身の関節や靭帯を傷めた経験があります。特にリハビリをすることもなく自然治癒してきましたが、ヨガを行うことで可動域の制限や身体のゆがみに気づき、調整できるようになりました」

自分が経験したことを、ヨガを知らない人たちにも伝えたいと、指導者の道を志すように。とはいえ、苦労したのはやはりティーチング。言葉で人を誘導するのが難しく、何度も練習を重ねたのだそう。
「万全に準備していても、セッションが始まってみないと何を求められるかわかりません。自分の経験によって確信の得られていることを伝えなければ、DVDのレッスンと変わらない……。状況にあった言葉をいかにわかりやすく使うか、学ぶべきことは多いです」

指導する際に気をつけていることは、その人の身体の一部になっていけるぐらい繊細に観察することだというマサさん。
「レッスンでのインストラクションは、まさにライブ。その場の状況にあった対応が必要だと思います。そしてどんな時も視野を広げ、その人の持つ良さや美しさを引き出すきっかけになればと思っています」

Q&A とアドバイス

  • Q 1  指導者になりたいと思ったきっかけはなんですか?

    私自身、ヨガを行うことでアライメントが整って身体の治癒力が高まり、運動能力や持久力、バランスが強化されました。そして、柔軟性がついたことでほとんどケガをすることがなくなったんです。精神面では、緊張したときなどの心のコントロールがスムーズにできるようになったんですよ。素晴らしい効果をたくさん体験し、これを多くの人に知ってほしいと思いました。

  • Q 2  男性だからこその強みがあれば教えてください。

    やはり身体の強さではないでしょうか。もともとある強さが土台になり、そこにしなやかさを足していくことで個人が持っている可能性がさらに広がっていくのだと思います。また、男性メンバーを見ているとコツコツと積み上げ、納得するまで深く掘り下げていくような職人気質の人が多いように感じるのですが、ヨガを行う上ではこのような性質もプラスになると思います。

  • Q 3  養成コースで学んで、ご自身が変わったと思うことは?

    身体的には、ゆがみが調整されたりケガをしたまま固まっていた可動域が広がるなどの変化がありました。整体で診てもらったときには、一生治らないと言われていたのですが、ヨガを受けることによってもとの状態に近づくことができたのがうれしいですね。また、ヨガの哲学に触れて、物事も見方や捉え方も肯定的になってきたと思います。

  • Q 4  これから指導者を目指す人へ、アドバイスをお願いします。

    私が資格を取得した当初は、名古屋で受けられる養成コースはほとんどありませんでした。今は様々なスタイルの養成コースがあると思うので、広く情報を集めることも大切ですね。養成コースを担当される先生のクラスを受けたり話をしてみるなど、事前にその先生のことを知っておくこともよいのではないかと思います。

「指導者としてどうあるべきか」を、細かく学べるところも魅力

前田 優子さん (まえだ ゆうこ)・ピラティスインストラクター
PeakPilateSystem フル認定、ピークピラティス アドバンスマット。
ピラティスアライアンス芝浦スタジオ、鎌倉スタジオでの指導のほか、公共施設等でのグループレッスンも担当。

ピラティスとの出会いは、趣味で習っていた社交ダンスのトレーニングとして。ニューヨークで資格を取った先生にピラティス指導をお願いしたことから始まりました。
「まず、今までのエクササイズとまったく違うことに驚きました。背骨をひとつずつ起こしたり、股関節から脚を持ち上げる………。動きに対するそのような意識は、それまでの自分にまったくなかったものだったんです。自分の身体に意識を向けると、どんどん動きが変わっていくのがわかり、ピラティスの面白さに夢中になりました」

帰国後もピラティスのレッスンを続け、より深く学びたいと思うように。
その後、迷うことなく養成コースに入りますが、それまでインストラクションを行った経験がまったくなかったため、難しい専門知識以上に「思うように言葉が出てこない」ことに悩まされたといいます。
「動きの目的や動き方の細かい指導など、わかっていても伝えられないことが多くて。当たり前ですが、はじめのうちはマニュアル通りにしかできないんです。でもそれで相手にうまく響かなかった場合どうするか。引き出しが少ないため、その方に合った声掛けができなくて怖かったですね。これは今も課題のひとつです」

そのぶんうまくいったときの一体感、クライアントのパフォーマンスや日常生活の動きが改善されたときの喜びはひとしおなのだとか。
「資格を取ったから終わりではなく、そこがスタート地点。指導者として自分が学び続けて得た感動や喜びを、いかにメンバーに伝えるのかを考えるのが指導者の仕事です。その方法を養成コースでしっかりと学んでいただきたいと思います」

Q&A とアドバイス

  • Q 1  指導者になりたいと思ったきっかけはなんですか?

    1つひとつの骨を意識しながら動きを行うなど、ピラティスのレッスンはとても新鮮なものでした。3年ぐらいはメンバーとしてピラティススタジオでレッスンを受けていたのですが、そのうちにもっと勉強したいという気持ちが強くなって。また将来のことを考えたとき、ピラティスは年齢に関わらず個人的にも指導者としても長く続けていくことができる、と思えたのも理由のひとつです。

  • Q 2  どのようにして養成コースを決めましたか?

    指導者になりたいと思ったときに、通っていたスタジオの先生に相談したのですが、そのときに教えていただいたのがピークピラティスでした。実際に体験してみると、楽しくわかりやすいレッスンに魅力を感じてこちらを選びました。結果的に、ピラティスの技術だけでなく、指導者としてどうあるべきかを学べる教育システムも整っていたこともよかったと思っています。

  • Q 3  養成コースで学んで、自分が変わったと思うことは?

    身体が強くなり、感覚がよくなったと思います。ピラティスはもちろん、趣味で通っていた社交ダンスでも、指示された言葉がすっと身体に入ってくるようになりました。いままで限界だと思っていたところから、「まだ伸びる」「もっと回れる」と感じられるようになりましたね。

  • Q 4  これから指導者を目指す人へ、アドバイスをお願いします。

    養成コースを選ぶときは、スタジオへ見学に行って説明会に参加したり、実際にレッスンを受けるなどして自分に合うかどうかを身体で試してみてください。また本格的なコースの前にプレ養成コースのようなものが準備されている団体もありますから、まずはそれを受けてみるのもいいかと思います。
    メンバーの年齢層は様々ですし、自分よりも社会的経験が多い方とたくさん接します。基本的なことですが、社会人としてのマナーは身に着けておきたいですね。

迷ったときは、「どうなりたい?」という基本に立ち返って

山田 海蜂さん (やまだ みほ)・ピラティスインストラクター
14歳で新体操を始め、バルセロナ、アトランタ五輪に出場。東京大学総合教育学科研究生を経て日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科にて運動学を修了。現在はパフォーマーとしての活動のほか、ピラティス指導、大学非常勤講師、 病院での運動指導などを行っている。

もともと大学やスタジオで、運動指導の経験があった山田さん。当時指導していたボディーワークは、ピラティスの動きにとても近いものだったと言います。
「当時のワークは新体操選手だったころの自分の経験や、バレエストレッチなどを組み合わせて考えたものでした。初めてピラティスのレッスンを受けたとき『これ、私もやってることだ!』と思いましたね。自己流のものに比べ、ピラティスはより細かい箇所にフォーカスして効かせることができると感じました」

身体に有効なエクササイズとして、フィットネスクラブでのグループレッスンを受講していましたが、あるとき膝のケガが引き金となって足指の腱を切ってしまいます。
「もう一度身体の使い方を学び直したいと思いましたし、今後指導者として仕事をしていく上でも何かしっかりした知識を身につけたかった。それでピラティスの資格を取ろうと決めたんです。1年ぐらいの期間でじっくり学べるところをと思い、様々な養成コースを検討しました」

それまで病院で理学療法士とともに指導を行っていたことから、医学的信頼性が高いポールスター®ピラティスを選んだ山田さん。慣れない解剖学の専門用語に苦労しつつも、今年の6月、見事インストラクターの資格を取得しました。
「先生方に励ましてもらいながら、なんとか乗り切ったという感じです。無事卒業できましたが、まだまだ素人。身体は1人ひとり違いますし、有効な動き方もそのための声掛けも異なります。この仕事は経験がすべてですから、自分のケガも大切な財産の1つ。少しずつ積み上げていければと思いますね。レッスンを終えたあとに、『またね』と笑顔で帰ってもらえることが目標です」

Q&A とアドバイス

  • Q 1  指導者になりたいと思ったきっかけは?

    ケガをして、思うように身体を動かすことができなくなったことがきっかけでした。今後のことについて色々考えていたときに、この時間を利用して何かできることはないかと思い、勉強して資格を取ろうと決めました。ピラティスの素晴らしさは実感していましたし、運動指導の経験もあったので、指導者の資格を取りたいと思ったんです。

  • Q 2  どのようにして養成コースを決めましたか?

    周りの友人の意見も聞きつつ、最後まで悩んだのはポールスター®ピラティスとストットピラティス。実際に体験もしましたが、ストットピラティスはケガをしていても身体が踊るように動けてとても魅力的でした。資格取得までにかかる時間、金額などの条件を比較し……さんざん悩みましたが、最終的には自分自身がパフォーマーであり、大学や病院で運動指導をしていること、将来も指導者として進んでいきたいことを考え、最終的にはポールスター®ピラティスを学ぼうと決心しました。

  • Q 3  養成コースで学んで、自分が変わったと思うことは?

    動きをより繊細に感じることができるようになりました。実はそれまで私の指導は、「ツンツンと刺すように」などといった擬音語が多かったのですが、養成コースに入って学んだのは、「雲のなかを漂うように」などといった感覚を言葉にする「イメージキュー」。バレエやダンスを行うときは身体を使った表現がすべてであり、それを言葉にして表すことには慣れてなかったんです。実際、自分のパフォーマンスも変わったと思います。仕事仲間からは、「指導時に見るポイントが変わった」と言われたこともありますね。

  • Q 4  これから指導者を目指す人へ、アドバイスをお願いします。

    ピラティスの養成コースは多数あるので、「自分がどうなりたいか」という目標や目的を持っておくことが大切だと思います。そして、選択に迷ったときはそこへ戻って考え直すこと。講習を受けるときも、例えば「今日は肩の動きにこだわろう」などと、何かにポイントを置くこともおすすめです。それからこれはピラティスに限りませんが、人との出会いを大切に、いろいろな経験を積んでおくこと。
    将来現場へ出たときの、大きな宝物になると思います。

(取材・文 宇津木 有紀)

*本ページの内容は、「月刊ジャパンフィットネス」 2012年11月号特集より抜粋してご紹介しています。

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