[2013年2月特集]

インストラクターなら知っておきたい!キーワード

フィットネスのグローバル化、国内のフィットネス人口について、個人事業主・フリーランスという働き方、生涯スポーツとしてのエアロビックとは……etc、業界の注目「キーワード」を解説!
スペシャルインタビュー『皆さんが次の一歩として見据えているステップは? ~ しっかり学んで実践に活かす!』でお話を伺った下記4名の方からのアドバイスを中心に解説しています。インタビュー記事と併せてご覧ください。

◎アファジャパン(株) 代表取締役社長 奥村 辰平さん
◎(一社)日本フィットネス産業協会 専務理事 杖﨑 洋さん
◎(公社)日本エアロビック連盟 理事長 知念 かおるさん
◎(公社)日本フィットネス協会 業務執行理事 深代 泰子さん

「フィットネスインストラクター」

「インストラクターを目指す人には、インストラクター=エアロビクスやアクアビクスの指導者というだけでなく、『フィットネスインストラクター』という捉え方も知っていてほしいです」(奥村さん)。
辞書を引くとエアロビクス(aerobics)は有酸素運動、フィットネス(fitness)は健康や健康であるために行う運動のこと。フィットネスインストラクターとは、施設内での運動指導だけにとどまらず、例えば草野球やバレーボール、ランニングなど、あらゆる運動シーンにおいて安全で効果的にエクササイズを行うための指導者。そう考えると、活動の場は無限に広がるのかも!?

「フィットネスのグローバル化」

ほかの職業同様、インストラクターの活動の場は国内だけにとどまりません。IDEAなど海外のフィットネスコンベンションで、日本人インストラクターがステージに立ってリードをとる場面も増えていますし、自身の生活スタイルが海外居住もありえる、といった人も少なくないでしょう。
「海外で指導することも視野に入れて、養成コース選びを考えるのも1つの手。例えばAFAA PCの資格を持つインストラクターは世界79カ国で活躍しています。『安全で効果的なフィットネス』という考えは全世界で共通のもの。将来どんな場所でも指導を行えるように、基本はしっかり身に着けたいですね」

「プレコリオ」

振り付けが決められており、初心者でも動きが楽しめるプレコリオ。「効果的で楽しいプログラムが多いですが、動きが決まっているだけに、指導者に正しい知識と動きを見る目がなければ、ただ動きをなぞっているだけになってしまいます。例えばZUMBAは楽しさを前面に押し出したパーティー的な要素が目立ちますが、あくまでフィットネスプログラム。ハデなパフォーマンスや奇抜さを競うものではありません。もしヒールのある靴や動きを制限するウエアで参加している人がいれば、目先の楽しさに惑わされずに注意をする。インストラクターはどんなときでも正しいプログラムを指導するという気持ちを持ち続けてください」

「フィットネスファン化のリーダー」

「クラブ経営者は、フィットネスインストラクターたちを ①今クラブに来ている人たちをフィットネスファンにし続ける人、②これからフィットネスを始める人をファンにしてくれる人、そして ③子どもの指導やイベントなどを通してファンの種まきをする人だと考えています」(杖﨑さん)。
フィットネスクラブで大切なのはハードの充実だけではなく、そこに来ることで何か変化することができるという結果を出すサービスを提供すること。「その中心にいるからこそ、インストラクターはクラブ最大の財産だと思います」

「フィットネス人口は3%約400万人」

日本で民間のフィットネスクラブに通って定期的な運動を行っている人は、全国民の3%にあたる約400万人しかいないというこの数字は、フィットネス業界の基礎知識ともいえるものなのでぜひ覚えておきたいもの。健康への意識が高まり、国を挙げての健康政策がとられている今でも、定期的な運動習慣を持つ人は、欧米の3分の1以下だと言われています。
「現在フィットネスクラブに通っている人は、身体を動かそうというマインドがもともとある人たち。運動が必要なのに、運動が嫌いで実践できない人たちを、健康増進施設に引きつけない限り、欧米に並ぶことは不可能でしょう。潜在的なフィットネスクラブユーザーをいかに取り込んでいくか、これからインストラクターを目指す人であればぜひ考えてほしいですね」

「個人事業主という働き方」

今のフィットネス業界は多くのフリーランス、非正規雇用者によって支えられているのが現状です。企業と雇用関係にない場合、自らの仕事管理も大切な仕事。
「レッスンスキルを身につけることは大前提ですが、個人事業主として自らを管理していく必要がありますね。企画力やプレゼン能力などビジネススキルも欠かせません。インストラクターは『楽しい、おもしろい』といった数値にできない評価を受けがちですが、それをデータ化して自己評価、分析する力も必要。どんな時間帯のクラスで、参加人数の推移がどうだったかなどを数値化して、自分に対する評価を実践し、価値の可視化を習慣づけましょう。繰り返すことで自分の適性も見えてきますし、自分のスタジオを持ちたい、現場の指導者としてあり続けたいなど、次のステージが見えてきますよ」

「競技エアロビック」

競技エアロビックは、クーパー博士の「エアロビクス」を起源とし、その後に派生したエアロビック・ダンスがスポーツ(競技)として発展したもの。世界50カ国で愛好されていて、種目別に7mと10m四方の競技エリアを使用し、エアロビック動作やエレメントと呼ばれる難度別の動作を組み合わせた演技を競います。
「日本では、1984年に第1回全日本エアロビック選手権大会が開催されました。現在、競技愛好者は登録者だけで約2,600人、スズキワールドカップ世界エアロビック選手権大会などの国際大会も開催されています」(知念さん)。

「生涯スポーツとしてのエアロビック」

一方、NHK「BSエアロビック」や「ドゥ!エアロビック」等でも取り上げられている、「エアロビック」とは? 「ジャンプなどのスポーツ的な要素を除いたもので、競技エアロビックとはまったく別のもの。音楽に合わせていつでも、どこでも、誰にでもできる全身運動です。健康づくりのための生涯スポーツなので、市民マラソンのような感覚で気軽に参加してもらえるものですね」。
その目標は、有酸素運動として体力をつけるといったことから、コミュニケーションの楽しさを重視したものまでさまざま。発表の場として、「生涯スポーツ交流大会」や「エアロビック技能検定会」なども開催されています。

「エアロビック審判員、エアロビック技能検定員資格」

レッスンの指導とはまったく異なるものとして、審判員や技能検定員といった資格も。審判員は国内で行われる競技会の審判を行い、A級~C級の3段階のレベルに分けられています。一方、エアロビック技能検定員は、エアロビック検定会の審査を行うほか、技能検定普及の中心的な役割を担っています。
「これらの資格を目指す人は、評価するということが仕事になるため、普段から自分の感性を磨いておくことが大切。いろいろな大会に足を運び、多くの人の動きを見て、目を養うことも大切です」。現在、全国で約400人が活躍しているそう。

「クーパー博士のエアロビクス論」

1967年、アメリカのケネス・H・クーパーが、有酸素運動プログラムとしてエアロビクスを提唱。翌年に出版された同名の本は世界各国で大ベストセラーに。1981年にはクーパーが来日、日本にエアロビクスを紹介すると同時に、空前のエアロビクスブームを起こしました。
「プレコリオなど動きの決まったプログラムが増えている最近では、こんなことは知らなくてもメンバーにはわからないと思うかもしれません。でもプロとして働くからには、自分が携わっている仕事の歴史を知っておくべきでしょう。エアロビクスがどのように始まってここまで発展してきたかを理解した上で、指導を行ってほしいですね」(深代さん)。

「健康日本21」

こちらも同じく健康指導を行う上で一般常識として知っておきたいキーワードで、国民の健康づくりのための運動施策のこと。一人ひとりの取り組みを社会の健康関連施設が支援し、健康を実現することを目標にしています。栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、歯の健康、たばこ、アルコール、糖尿病、循環器病、がんの9分野について達成すべき数値目標等を掲げ、生活習慣の改善や健康づくりに必要な環境整備を進めています。

「水の4つの特性」

水の特性は浮力、水圧、抵抗、水温の4つで水中での運動において有効に働きます。「生活習慣病や腰痛・膝痛など予防のため、またエアロビクス愛好者にアクアビクスという新しいフィットネスの場を体験してもらうためにも、アクアインストラクターならずとも知っていてほしいですね」。

*本ページの内容は、「月刊ジャパンフィットネス」 2013年2月号特集より抜粋してご紹介しています。

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